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*/ プラレールリモコン化 PWMとHブリッジ /*

・PWM方式制御

 PWMはモーターの速度調整を行う部分です。
 専門的な事はその手のサイトに譲るとして、PWM方式は日本語で「パルス幅変調」と言って高速でスイッチをON−OFFし、そのON時間の増減で負荷(ここではモータ)に掛ける電力を擬似的に絞る手法です。マイコンの出力は基本0−1しかありませんので0.5とか0.3ぐらいの出力が欲しい時に良く使われる手法のようです。ボタンでお湯の出るポットのお湯出しボタンを連打するとお湯の出方がマイルドになるあれ。

図ではOFF時間が長いと回転−停止の繰り返しでガクガクしそうですが周波数がkHzオーダーなので人間の感覚では知覚できない程度になります。

 実際の電車でも直流モータを使用した車種ではこの方式で速度を調節するものもあり、チョッパ制御と言うようです。交流モータの普及が急速に行われたので採用数はあんまり多くないみたいですが。

 PWMでモータを制御する実験回路

 実に単純ですがちゃんと動きます。PICではモータを回すほど大電流を流せないのでトランジスタでスイッチングします。
 スイッチングにはFETを使用しています。トランジスタは通電時にトランジスタ自体が0.6V程消費してしまうのでモータ電源が2.4V程の実験回路ではモータに掛けられる電圧が1.8V程度になってしまいます。標準のプラレールは単2電池の1.5Vなので問題は無さそうなのですが「新幹線に勝てる江ノ電」を見てみたかったので電圧降下が殆どないFETを使ってます。
 FETは4V程のゲート電圧を掛けてあげないとスイッチングしないものが多いので3V電源の回路では使えないという欠点があり注意が必要です。今回はマイコン系に4.6V電源を使いますので問題はありません。
 

・Hブリッジ

上の回路ではモータの速度は制御できますがバックが出来ません。
 モータを正逆転させるにはHブリッジと言うのを使います(下図は概略図)

 いきなりめんどくさそうになりましたね。
 スイッチ(FETを電気的なスイッチと見る)を4つ使うと、その組み合わせでモータに流れる電流の向きを変えられるようになります。
 上の回路ではABだけをオンにすると正転、CDだけをオンにすると逆転になります。
 真面目に組むとスイッチング回路x4にマイコンの出力4本が必要になり、部品点数が多くなる上に実装面積も大きくなってしまいます。

 よく使う回路なのでICメーカがこれらの回路を1つのICに纏めたモータドライバと言うものを売ってます。

 トランジスタ組み合わせて作るより遥かに小さいですし、配線も簡単になるので良いのですが簡単に手に入るものは1.5V程度のモーターを回すには使えないものしかありませんでした。

 Hブリッジの回路を眺めている時に「これってC接点スイッチを2個で代用できるよね」と思い付き、「2Cリレーが1個あればいいじゃん!俺ってすげー」とか言ってたのですが調べてみると昔からある方法の様です(--; 今時使わないのはドライバや回路組んだ方が効率がいいからなんだとか。
 探してみると秋月電子で丁度いいリレーが売ってましたので採用です。3V駆動の2Cリレーで大きさはDIP8と同等程度、値段も5コ200円ですので1コ40円と安価なのも良いです。普通に買うと1コ3〜400円するそうですが…
 白い部品がそのリレーです


 それで組んでみたのがこんな感じの回路

 出力のGND側にFETを1個入れてPWMで速度制御も出来ます。
 実装面積も車内スペースに何とか入る大きさです。FET並べるより小さいですし切り替えの為の配線も1本で済みます。この部品がなかったら完成していなかったかもしれないという大変重要な部品になりました。
 ブレッドボード上の実験でもちゃんと正逆転の動作が確認でき、次へと進む事ができました。

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